浸炭熱処理は、鋼の表面に炭素を浸入させ焼入し、表面を硬化させる方法です。主に、加工がし易い安価な材料(焼入に必要な元素を含まない)を用いた部品に処理され、部品の耐摩耗性、耐久性、靭性などが大きく向上します。他の熱処理と比較して安価であるため、コストが追求される自動車部品、歯車等に多く使用されます。
炭素だけを侵入させ硬化させる浸炭焼入の他、炭素と窒素を侵入させる浸炭窒化焼入があります。
浸炭窒化焼入は、浸炭焼入と比較して、処理温度が低く、歪や変寸が少ない傾向があり、主に精度が要求される部品に使用されます。
浸炭熱処理の特徴
○ | 耐摩耗性、耐久性、靭性が大きく向上 |
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○ | 部分的に焼入が可能 |
× | 大物品の処理では浸炭後の焼入の段階で大気に触れるため、表面に酸化スケールが付く |
× | 深い浸炭層を得る場合、時間を要する。 |
当社の特徴
・ | 当社では、古くからの液体浸炭と、現在主流であるガス浸炭設備を保有しております。多彩な設備群で材質、使用用途に合わせた最適条件での処理に柔軟に対応致します。 |
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・ | 液体浸炭は、短時間で鋼に浸炭するため処理時間が早く、単品物の短納期化に貢献します。また、SS材などの低炭素鋼でも強い浸炭力を発揮します。 |
・ | ガス浸炭はタテ型ピット炉方式により大物部品の処理が可能です。 |
・ | 長尺物の焼入れは、従来の油焼入れよりも低歪みなソルト焼入れを導入しています。 油焼入れと比較して歪みが半分~3分の1になると言われます。 |
設備
・ | ガス浸炭窒化炉 | (バッチ式) | 2台 | (高)600×(幅)600×(長)1200 | |
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・ | 焼戻炉 | (バッチ式) | 2台 | (高)600×(幅)600×(長)1200 | |
・ | 真空洗浄機 | (バッチ式) | 1台 | (高)600×(幅)600×(長)1200 | |
・ | ガス浸炭窒化炉 | (ピット式) | 1台 | Ф800×1600 | |
・ | ガス浸炭窒化炉 | (ピット式) | 1台 | Ф600×1200 | |
・ | 焼戻炉 | (ピット式) | 1台 | Ф800×1600 | |
・ | マルクエンチ炉 | (ピット式) | 1台 | (高)2600×(幅)2160×(長)1600 | |
・ | 蒸気浴洗浄炉 | (ピット式) | 1台 | (高)600×(幅)600×(長)1200 | |
・ | 液体浸炭焼入炉 | 2台 | Ф600×650 | ||
・ | 塩浴焼戻炉 | 4台 | Ф600×350 | ||
・ | マルクエンチ炉 | 2台 | 700×850×850 |