塩化カリウム、塩化ナトリウム、亜硝酸ナトリウムなどを原料とする薬品を加熱すると融解し、ソルト液となります。ソルト液で満たされた槽の中で製品を加熱後、低温のソルト液で急冷する焼入方法です。
焼入は一般的に電気炉やガス炉で行いますが、鋼材の材質や寸法により均一に熱が伝達しないことが原因で、硬度ムラや歪み、焼割れのリスクが伴います。
ソルト液は気体よりも熱伝達に優れるため、対象物に熱が均一に伝達します。ソルト液が直に対象物と接するため、冷却時に冷却ムラが起きにくく、組織の安定化に繋がり、上記のリスクを防ぎます。また、加熱方法にもソルトバスを利用することで、ソルト液が保護膜の役割を果たし、空気による酸化を防ぎ、酸化皮膜を最小に抑えることが可能です。
ソルト焼入の特徴
○ | 歪み量が少ない(他の熱処理と比較し50~30%抑えることができる。) |
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○ | 均一な熱回りでムラなく冷却できるため、硬度ムラや焼割れが少ない。 |
○ | ソルト液が保護膜となり、焼入時の脱炭リスクが小さい。 |
○ | オープンタイプの炉も保有しているため、特急対応が容易。 |
× | ソルト炉のメンテナンスにコストが掛かることに加え、環境対策のコスト(ソルト焼入後の洗浄液の産廃処理)が上昇しているため、他の熱処理と比較し高価になりつつある。 |
当社の特徴
・ | 当社の独自の手法でS45CHRC60以上、SS材でもHRC55以上の硬度が得られます。 |
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・ | オープン炉も保有しているため、入荷次第すぐに処理が可能であり、短納期で完成します。 また、小ロット品、単発物に柔軟に対応可能です。 |
・ | 最短2時間で処理が可能です。 |
設備
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